共生型サービスがもたらすメリット

2018年4月から導入された共生型サービスとは、介護保険サービスを行う事業所が障害福祉サービスも提供できたり、その反対に障害福祉サービスを行う事業所でも介護保険サービスを行えるようになった制度である。
この共生型サービスがスタートした背景の1つには、介護業界や福祉業界の人手不足が関わっている。また、後期高齢者が増えたことで、社会保障の財政について不安視されるようになったことも理由に含まれている。
共生型サービスの導入によって2つのサービスを提供できる事業所が増加すると、1つの施設で働いている人材のみで事業所の運営が円滑に進むようになる。また、障害者や高齢者、その家族がさらに適切な支援を受けやすくなることが期待されている。
なお、共生型サービスが導入される前にも、障害者と高齢者の両方を対象にしたサービスを提供している事業所は存在していた。しかし地域ごとに事業所の設置に関する基準が異なったり、スタッフの給料やサービスの内容などについても問題が多かったので、なかなか普及が進んでいなかった。
また従来の制度では、若い頃から障害福祉サービスを利用していた方でも、年齢を重ねると新たに介護保険サービスを受ける必要が出てくることが問題となっていた。共生型サービスはこれらの問題を解消することを目的に、トラブル発生を抑えるために明確に基準を設け、2つのサービスを1ヶ所で提供できる特長をいかして、利用者が年をとっても同じ事業所に継続して通えるようにしている。
介護保険法が改正されて導入が始まったこの仕組みは、利用者の不安を軽減し、事業所側にもメリットがあるサービスといえそうだ。